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雨に対する設計のポイント 排水計算によりサイズを求める方法

 

 1.概要

●のきといとたてといのサイズは排水量に比例します。したがって、 当該の住宅(屋根)に適合するサイズの雨といを求めるには、その住 宅の屋根面積への降雨量をカバーできる排水量をもつのきとい・たて といの組み合わせであることが基本的な条件です。

Q :屋根投影面積に対する降雨量(m3/sec)

Q1: のきといの排水量(m3/sec)

Q2: たてといの排水量(m3/sec) とすれば

Q< Q1  Q < Q2

の上記条件を満たすのきとい・たてといを選択すれば安全です。


●のきとい・たてといの適合性を検証する計算手順は下記のとおりです。


(1)1本のたてとい(落とし口)が受け持つ屋根投影面積(m2)を計算します。… A
(2)屋根投影面積への降雨量(m3/sec)を計算します。…… Q
(3)使用するのきといの排水量(m3/sec)を計算します。… Q1
(4)使用するたてといの排水量(m3/sec)を計算します。… Q2
(5)上記数値を元に適合性を検証します。


参考資料

1.降雨強度とは?

降雨強度とは、単位時間の降雨量を1 時間あたりに換算したものです。例えば、10分間に10mmの降雨があった場合の降雨強度は、 60mm/hr[ 10mm×(60分/10分)]になります。


2.日本の降雨量

セキスイでは、日本各地における降雨強度を以下の基準で設定し、住宅用 雨といには排水量計算上、Ⅱの100mm/hr を使用しています。

60mm/hr

100mm/hr

120mm/hr


注)地域別降雨量の記録については気象庁のホームページ等で確認してください。
http://www.jma.go.jp/jma/index.html


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 2.計算手順に基づく計算例

●下記の屋根形状・面積の住宅に、のきとい「アートフェイスT120」、たてとい「アートフェイスY60H」を施工する場合のサイズ適合性について検証します。

[1]1本のたてとい(落とし口)が受け持つ屋根投影面積(m2)を計算します・・・ A

A=a・b

Q :屋根投影面積に対する降雨量(m3/sec)
Q1: のきといの排水量(m3/sec)
Q2: たてといの排水量(m3/sec) とすれば

[計算例]
a =3.5m
b =10m 
A=3.5 ×10 =35m²


[2]Aの屋根投影面積からの排水量(m3/sec)を計算します。・・・Q

[3]のきといT120 の排水能力(m3/sec)を計算します・・・ Q1

◎公式
(1)まずクッター開水路平均流速簡略式よりのきといの排水速度を算定

V1

23+

1

・√mi

n

1+23

n

√m

V1 :のきといの排水流速(m/sec)
n  :のきといの表面粗度係数
i   :のきといの水勾配
m   :のきといの平均流体の深さ(m)

[計算例]
n= 0.01(硬質塩化ビニルの場合)
i = 1/500(T120 の場合)
m は排水断面積/潤辺長
m= 0.03280(T120 の場合)


V1

23+

1

×√0.03280×

1

 =0.4388m/sec

0.01

1+23

0.01

500

√0.03280


[参考]
▼排水断面積は下記斜線部分の面積を示します。 


▼潤辺長とは下記の長さを示します。 


(2)のきといの排水流速をもとに排水量を計算

Q₁

1

・S₁・V₁ 

K


V1 :のきといの排水流速(m/sec)
n  :のきといの表面粗度係数
i   :のきといの水勾配
m   :のきといの平均流体の深さ(m)

[計算例]
n= 0.01(硬質塩化ビニルの場合)
i = 1/500(T120 の場合)
m は排水断面積/潤辺長
m= 0.03280(T120 の場合)

Q₁


1

×0.00889×0.4388=0.00260m³/sec

1.5


[4]のきといT120 の排水能力(m3/sec)を計算します・・・ Q2

◎公式
(1)まずクッター開水路平均流速簡略式よりのきといの排水速度を算定

Q=N・A

V2 :たてといの落とし口の流速(m/sec)
g :重力の加速度(m/sec2)
h :のきといの深さ(m)

[計算例]
g= 9.8
h=0.0687(T120 の場合)


Q₁
√2×9.8×0.0687=1.16040m/sec


(2)たてといの落とし口の流速をもとに排水量を計算

Q₂=C・V・S


Q2 :たてといの排水量(m3/sec)
c:たてといの流量係数
V2 :たてといの落とし口の流速(m/sec)
S2 :たてといの流水断面積(m2)

[計算例]
C = 0.6
V2 = 1.16040
S2 = 0.00310(Y60H の場合)
Q2 = 0.6 ×1.16040 ×0.00310 = 0.00216m3/sec


[5]上記数値を元に適合性を検証します。・・・ Q < Q1  Q < Q2

降雨量(必要排水量)Q =0.00097m3/sec
のきといの排水量 Q1 =0.00260m3/sec
たてといの排水量 Q2 =0.00216m3/sec のため

Q< Q1  Q < Q2

となり、のきとい、たてといともに降水量に対し排水能力が充分上回ることが検証できました。したがって例示された屋根の住宅にアートフェイスT120、アートフェイスY60H を使うことは問題ありません。


 3.組み合わせ排水量Qα(m3/sec)より適応屋根面積を求める方法

●上記の方法とは逆の手順で、のきといとたてといの組合わせによる排水量が耐えうる屋根投影面積を求める計算方法です。

◎公式

A=

Qα×60×60×1000

N

A : 屋根投影面積(m2)
Qα :組み合わせ排水量(m3/sec)
N : 降雨量(mm/hr)

[計算例]
Qα= 0.00216m3/sec
(アートフェイスT120、アートフェイスY60H の組み合わせによる排水能力)
N = 120mm/hr

A=

0.00216×60×60×1000

 ≒ 64m2

N

したがって、アートフェイスT120、アートフェイスY60H、勾配1/500、降水量120mm/hr の条件で施工した場合、落とし口1ヶ所あたりの適応屋根投影面積は64m2となります。


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 [参考資料] 気象庁:天気予報等で用いる用語「雨の強さと降り方」

1時間雨量 

予報用語

人の受ける
イメージ

人への
影響

屋内
(木造住宅を
想定)

屋外の
様子

車に
乗っていて

災害
発生状況

(mm/hr)

10以上
~20未満

やや
強い雨

ザーザー
と降る

地面からの
跳ね返りで
足元が
ぬれる。

雨の音で
話し声が
良く聞き
取れない。

地面一面に
水たまり
ができる。


この程度の雨でも、長く続く
時は注意が必要。

20以上
~30未満

強い雨

どしゃ降り

傘をさして
いても
ぬれる。

寝ている
人の半数

くらいが、
雨に
気が
つく。     

ワイパーを
速くし
ても見づらい。


側溝や下水、小さな川が
あふれ、小規模の崖崩れが
始まる。

30以上
~50未満

激しい

バケツを
ひっくり返した
ように降る。

道路が
川のように
なる。

高速走行時、
車輪と路面の
間に水膜が
生じ、ブレーキ
が効かなく
なる。
(ハイドロ
プレーニン
現象)


山崩れ・崖崩れが起き
やすくなり、危険地帯では
避難の準備が必要。
都市では下水管から
雨水があふれる。

50以上
~80未満

非常に
激しい

滝のように
降る。
(ゴーゴーと
降り続く)

傘は全く
役に立た
なくなる。

水しぶきで
あたり一面が白っぽくなり、
視界が
悪くなる。

車の運転は
危険。


都市部では地下室や
地下街に雨水が流れ込む
場合がある。マンホールから
水が噴出する。
土石流が起こりやすい。
多くの災害が発生。

80以上~

猛烈な

息苦しく
なるような
圧迫感が
ある。恐怖を
感ずる。

雨による大規模な災害の
発生するおそれが強く、厳重
な警戒が必要。


 排水能力計算基本資料

のきとい
名称

のきとい
排水有効
断面積
(m2

潤辺長
(m)

平均
流体
長さ
(m)

n=0.01

n 

√m

のきとい
深さ
(m)

軒樋の流速V(m/sec) 

のきとい
落とし口
流速
(m/sec)

1/300

1/500

1/700

1/1000

超芯
レボル

0.00760

0.2797

0.02717 

0.06066 

0.0791

0.48870

0.7854

0.31993

0.26767

1.245

ユニシェイプUST140

0.00940 

0.3006

0.03130 

0.05650 

0.0834

0.54640

0.42003

0.35770

0.29927

1.279

アートフェイス
VM120

0.00750 

0.2470 

0.03036 

0.05739 

0.0860

0.53334

0.41312

0.34915

0.29212

1.298

アートフェイス
T120

0.00889 

0.2710 

0.03280 

0.05522 

0.0687

0.56664

0.43892

0.37095

0.31036

1.160

アートフェイス
T160

0.01183 

0.3380 

0.03500 

0.05345 

0.0887

0.59592

0.46160

0.39012

0.32640

1.318

アートフェイス
H120

0.00779 

0.2540 

0.03067 

0.05710 

0.0687

0.53760

0.41642

0.35194

0.29445

1.160

アートフェイス
H160

0.00971 

0.2910 

0.03337 

0.05474 

0.0835

0.57420

0.44478

0.37591

0.31451

1.279

アーバントップ
Σ90

0.00565 

0.2099 

0.02692 

0.06095 

0.0587

0.48511

0.37577

0.31758

0.26571

1.072

新・丸トップ
RV105

0.00503 

0.2263 

0.02222 

0.06709 

0.0538

0.41628

0.32245

0.27252

0.22800

1.026

ライナートップ
X40 

0.00248 

0.1377 

0.01800 

0.07454 

0.0387

0.35101

0.27189

0.22979

0.19225

0.870

ライナートップ
X70U 

0.00421 

0.1788 

0.02350 

0.06523 

0.0487

0.43539

0.33725

0.28503

0.23847

0.977

丸トップ
105 

0.00364 

0.1510 

0.02410 

0.06442 

0.0480

0.44424

0.34411

0.29083

0.24332

0.969

丸トップ
120 

0.00486 

0.1784 

0.02780 

0.05988 

0.0557

0.49761

0.38545

0.32576

0.27255

1.044

丸トップ
150 

0.00844 

0.2306 

0.03660 

0.05227 

0.0715

0.61687

0.47783

0.40384

0.33787

1.183

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 たてとい排水断面積資料






サイズ

排水断面積
(m2) 


サイズ

排水断面積
(m2) 


サイズ

排水断面積
(m2) 

URT60BL

0.00259 


UT42 

0.00126 


VU75 

0.00541 

Y60H 

0.00310 


UT60 

0.00259 


VP75 

0.00466 




UT75 

0.00402 





 


UT90 

0.00617 




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